最近の役所って・・・ 

酷い記事を見た。
震災以降、碌にエネルギーに関する知識もない人が適当なことを言うのには(少し)慣れたが、曲がりなりにも国の省庁がこんなことを本気で考えているのであれば、もう嘆くしかない。
まだ本書は発表されておらず、あくまでも報道記事なので、中身を見ればもう少しまともな内容になっていることを祈りたい。

地域ごとに電力供給のインフラ整備を 国交省有識者委
http://s.nikkei.com/rhVkYM

「地震の被害を直接受けなかった地域でも広範囲に停電に見舞われたことから、地域ごとに電力を供給するインフラ整備が必要と強調した」

まず、今回の1000年に1度の震災において、街が壊滅した地域を除いた停電時間はどれほどのものだろうか。東北・茨城でせいぜい1日から2日だったと記憶している。余震で一度東北地方が全域停電したが、これは半日ほどで復帰したはずだ。
これに備えて、電力を供給する設備、つまり発電機を設置するのか。この提言に基づき各自治体が用意する電源設備の総量は現状の電源設備または電力需要と同程度となるはずで、それってあまりにも莫大な量だと思うのだが。

「大規模な発電所に電力依存するリスクを指摘し、市町村単位で安定的に電力を供給する手段として蓄電池の設置などを挙げた」

現行の科学技術では、蓄電池が貯められる電力はフル出力でせいぜい数時間分に過ぎない。これでは非常用としての役割しか果たさないし、それなら非常用小型発電機の方が使い勝手が良く、安価なのでは。
しかも、蓄電池は蓄放電のプロセスの中で1~3割程度がロスとして失われる(携帯電話のリチウムイオン電池を触るとほんのり温かいと思うが、あの熱こそがロスである)。1000年に1度の地震に備えて蓄電を常時行えば、当然、その分だけ日本全体の電力消費が増えることになる。
そもそも、震災直後の被害地域の写真を見てもらえば一目瞭然だが、電柱が倒れるなどの被害が出たら、いくら電源が無事でもそれ以上に電気を送れるはずがない。

常識的に考えて、この提言は経済的にペイするものではないと思われる。市役所・役場等の拠点については従来通りの非常用発電機を設置する方が現実的だし、街に被害が無ければ停電はそんなに時間がかからず復旧する。
仮に今夏のような電力需要ピーク時の電力不足への対策を考えているとしても(委員会の役割上、射程外だと思うが)、普通に大規模電源を増設した方が経済的かつエネルギー効率に優れることは考えるまでもないだろう。
「蓄電地を大量設置すれば再生可能エネルギーの導入拡大にも寄与するじゃないか」という意見もあるかもしれないが、この提言に基づくと震災に備えて蓄電池を常時フル充電して備えておく必要があることになるので、再生可能エネルギーの出力間欠性を補完する役割は果たせないのである。

こんなものがこの国の中央官庁から出てきたこと自体に驚きを禁じ得ないし、物悲しい。

『capeta』(曽田正人)・25巻 

capeta(25) (講談社コミックスデラックス)capeta(25)
(講談社コミックスデラックス)

(2011/07/15)
曽田 正人

商品詳細を見る

同じ作者の作品ということで、帯も含めて先月発刊の『MOON』とタイアップして売り出している。だからこそ、この場面には驚いた。

高校を辞めようかと話すカペタを諭す源奈々子。今やレーシングスポーツはそれを生業とする人と企業が増えたがゆえに、一般社会との接触なしにレースをすることは出来やしないのだと。それは、確かにその通りなのかもしれない。
だけど一方で、わざわざ、こんな台詞を交えているのである。

奈々子「これがたとえばキミやナオミが、音楽家とか芸術家いうんなら話はべつや。バレリーナ目指す子なんかも高校行かんで渡欧したりするしな。ばっさり一般社会の感覚と決別して道を究めるんも悪ない。他の道を閉ざし、ひとつのことに打ち込むことで芽ばえる狂気みたいなもんこそアートの源泉なんかもしれんな」

なぜ、この台詞に強い意味があるか。それはまさに『MOON』との関係である。カペタの歩む道は、奈々子の言う通り、一般社会の感覚とかけ離れたものであるべきではないのかもしれないが、宮本すばるの歩む道はそれと全く違うものだと書いている。作者は意識的に両者を区別し、それを作品の中で明示したことも意図的ではないかと思う。

『capeta』と『MOON』は、前者の方がシンプルに出来ている。レーシングスポーツ自体の複雑さがあるとはいえ、その世界の中での描写は、むしろ現実的かつ王道的と言えると思う。
だけど後者は、それと同じものを描くつもりはさらさら無いのだと、改めて感じた次第。

結局、原子力は安いのか高いのか 

福島第一原発の事故を受けて、「東京電力は情報を出していない」という声が多く見られます。
しかし、事故直後の情報はさておき(現場の混乱があったことは想像に難くないですが)、電力会社は、その業態上、他産業とは比較にならないくらい情報を外に出している印象があります。むしろ、たくさん出しているせいで、どの数字を使ったらよいのか悩むくらいです。

今回は、電力会社の経理面における最も詳細な公表資料の一つである有価証券報告書を読んでみます。もちろんこれは誰にでもアクセスできるものです。(>EDINET
福島第一原発の事故を踏まえた上で、本当に原子力がコスト的にマイナスになるのかを可能な範囲で検証してみたいと思います。
続きを読む

『そんな未来はウソである』(桜場コハル)1巻・補足 

唐突に、『そんな未来はウソである』(桜場コハル)1巻について整理してみる。ちゃんと書き物にしておかないと(自分が)わからなくなるような気がしたので。

そんな未来はウソである(1) (KCデラックス)そんな未来はウソである(1)
(KCデラックス)

(2011/03/04)
桜場 コハル

商品詳細を見る
続きを読む

『MOON』(曽田正人)・8巻 

MOON 8 (ビッグコミックス)MOON 8
(ビッグコミックス)

(2011/06/30)
曽田 正人

商品詳細を見る

「鬼気迫る」と言うに相応しい巻。
続きを読む

skin presented by myhurt : BLOG | SKIN

FC2Ad

  
copyright © 2005 狼になりたい all rights reserved. Powered by FC2ブログ