『父とヒゲゴリラと私』(小池定路)・5巻 

 


 この5巻では、外観からわかるように、みちるが幼稚園を卒業し、小学校に入学することになります。
 作品の前提としてきたはずの人間関係が、一つの区切りを迎えるわけです。晃二と西原先生との関係が前巻で一つの明確な形になっていたとはいえ、真島先生などとはどうしても「別れ」が避けられません。みちるも当然大きくなってきますし、冬はあれから何度も繰り返しやって来るわけです。

 当たり前と言えば当たり前の話です。不幸にも草原夫妻にはそれが早く訪れることになりましたが、人が生きていく上で「別れ」は決して避けられません(例外があるとすれば早く亡くなった当人だけです)。ですが同時に、例えそれを経験したとしても、その後の行動が果たして正しかったのか、おそらくは殆どの人が明確な「答え」を持っていないものです。そもそも、答えがどうこうといったことをあまり考えたくない部類の話であるかもしれません。
 ただ、その後にほぼ間違いなく「変化」が訪れるというのも必然的な話で。それを残酷なものとして捉えるか、希望のようなものと見るか。そういう、繰り返しますが「当たり前」の話を、一歩一歩丁寧に描いていく今作。素晴らしい。


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