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『メランコリア』(道満晴明)・上巻 

 


 帯に「ショートストーリーの名手・道満晴明」とありますが、個人的見解としては、ショートストーリーに関しては人類史上で最も上手い人です。

 とはいえ、この人の作品を最初に読んでからしばらく経ち、少しずつ作風というか雰囲気は変わってきているかと。
 私が最初に読んだのは『性本能と水爆戦』の頃で、タイトルからしてまずぶっ飛んでいましたが、最近は少し落ち着いてきたように思います。「落ち着いた」と言っても、丸くなったとか無難になったわけではなく、この人が(おそらく最初から)持っていたシリアスな面が、徐々に徐々に表に出てきた感。私は、この人がこうしてコミカルさとシリアスさを「同時に併せ持つ」ところが好きなんです。
 掲載の場が、かつてのような成人誌と、今作が一般青年誌(ウルトラジャンプ)になったこととの違いもあるでしょう。しかし、逆に言えば、成人誌で描けばかえってハチャメチャさやエロ描写を求められる面もあるかと思いますので、これはこれで「自由」になったのかと。(今作にもそれなりのエロは残ってますしね)

 この巻で私が一番好きな話は「A」。笑わせるようで、最後にこういうオチを持ってくるのは、(今の)この人の真骨頂だと思います。

 アルファベットの各文字が各章のタイトルなので、次の下巻で完結なのだとか。今ほど、アルファベットが26字しかないことを残念に思ったことはありません。


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