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【NBA】2018NBAファイナル 

 「スイープもありうる」と予想されたファイナルはそうそう無いでしょうし、実際にそのままスイープで終わってしまったファイナルはさらに少ないと思います。



 正直、キャブスの不利は誰の眼にも明らかでした。
 キャブスが東カンファレンスを勝ち抜けたのは、そもそも近年は西高東低の傾向が強いこと、東の他のチームには経験が少なく、なにせ8年連続でファイナルを闘ってるレブロン・ジェームズ以上の人は居なかったということが大きかったでしょう。しかし、西は勝ち上がるのがロケッツにせよこのウォリアーズにせよ充実していましたし、ウォリアーズはレブロンの次に経験を持っていました。




 今から思えば、第1戦でキャブスがここまでホームのウォリアーズを追い詰めたことが称賛に値するのかと。

 もし「奇跡」を起こすなら、エンジンが本格的にかかる前の初戦は極めて重要でした。その中で、レブロンが49得点。しかし、結果的に「1点」足りなかったですね。(先に「レブロンが50点以上取らないと無理」と書いたらその通りになった。)
 この試合から既に、ウォリアーズに流れが行きかけていたところも多々ありましたが、その度にレブロンが粘り、最後の1分でキャブスが逆転。そこからは、デュラントの攻撃の判定が覆ってFTで追い付き、レブロンがまた勝ち越し、カリーのand1で逆転、そして最後のヒルのFTと、凄い濃度の一分間でした。

 「たられば」を挙げればキリがありません。当初の判定通りにデュラントのオフェンスファウルの判定だったら。その後にカリーのドライブを許さなかったら、さらには余計なファウスを犯さなかったら。ヒルが最後のFTをしっかり決めていたら、そして最後にJR.スミスがラストショットを放っていたら、と。

 そういう意味では、この試合でJR.スミスだけを責めるのは可哀そう。まず、ヒルがフリースローを決めていれば勝利の確率はかなり高まったはずなのです。
 あの場面で、ヒルのFTはかなりショートしています。リングの上にボールを持っていければあとは確率の問題ですが、リムの手前で跳ねて戻ったあのショットは、プレッシャーに負けたと言われても仕方がないでしょう。
 そして、これは完全な憶測ですが、不自然なくらいショートしたので、JR.スミスが混乱したのではないかと思います。「もしかしてヒルはわざと外したのか」と。JR.スミスももちろんスコアのことはわかっていたはずですが、あれが普通にリングの上を通過した上で落ちたのであれば、あんな勘違いはしなかったでしょう。「残り4秒で1点リード、相手ボール」と、「残り4秒で同点、マイボール」の得失を一瞬考えてしまったのではないかと憶測します。
 ですが、まあ、「あの場面でどうするか」の意識統一が出来ていなかった時点で、キャブスの敗北のような気もします。

 いずれにせよ、あの場面を「千載一遇のチャンスを逃した」と認識してしまった時点で、この試合は終わりました。オーバータイムのキャブスはもう完全に集中力が切れていました。
 その理由として、レブロンがほぼフルタイム出場であったこともあると思います。流石のレブロンも終盤はペースが落ちていましたし、面と向かっていたウォリアーズの面々が、彼の疲労を一番よくわかっていたはずです。

 その辺を含めて、ウォリアーズは最後まで「追い詰められる」ことは無かったと思います。初戦を落としたからといって絶対的に致命傷なわけではありません。ウォリアーズはベンチメンバーを普通にローテーションしており、「いつもの」プレイだったように思えます。




 第2戦は順当にウォリアーズが勝利。
 初戦の勝利で固さが完全に取れ、かつレブロンがフルタイム出場を続けることで、かえって「終盤まで粘ればウォリアーズ有利」であることが見えてきてしまい、さらに平常心で戦うことが出来たように思えます。

 この試合でカリーがプレイオフ新記録の9本の3Pを決めましたが、レイ・アレンの時の11本に比べて試投数が圧倒的に多い(17本)ので、カリーの普段の成功率を考えたら、「まあまあ好調だった」くらいの出来です。本人もたぶん意識していなかったでしょう。




 キャブスが勝つには、ホームの大声援の中でいつも立ち上がりの悪いウォリアーズの序盤に付け込み、1Qで20点差を付けるくらいの勢いが必要がと思っていました。
 実際、1Qには10点差を付けましたし、前半もリードで折り返します。しかし、それでは足りなかった・・・。

 「史上最高」の3Pシューターであるステフィン・カリーが3Pを9本外すことはまずあり得ません(通常の成功率であれば1%以下です)。もし最後の10本目も外れ、カリーの3Pが0/10なんて前代未聞のことが起きれば、キャブスは流石に流れを掴めたと思うのです。しかし、最後の10本目のシュートの際は、完全にマークを外してしまった。あの1本が決まった時点で、単にリードが4点に広がっただけでなく、この試合は「終わった」と感じさせるに十分でした。
 結局、キャブスが勝つには、レブロンが50点を取るか、カリーが10本の3Pを全て外すしかなかったのです。それくらいの確率だったのです。(確かに、この試合のデュラントが抜群の出来だったことは事実ですが。)




 大抵のチームは、「この試合に負けたら終わり」という試合を平常心では戦えません。メンタルの要素の強いバスケという競技でその影響は決して無視できません。
 次第に引き離されていくキャブス。放送の解説者が「つらい」「我慢」と何度も繰り返していたのが印象的でした。

 結局、ウォリアーズは余裕を残したまま4戦全勝でスイープ、2年連続のNBAチャンピオンに輝きました。




 ファイナルMVPはデュラントが選出されました。
 いくらレブロンが超越的でも、スイープされた側からの選出はなかったでしょうね。個人的にはステフィン・カリーにファイナルMVPを取って貰いたかったところですが、第3戦があまりにも悪すぎました。それならやはりデュラントでしょうか。

 3人のファイナル4戦でのスタッツを比べてみます。

2018NBAFinal.jpg

 こう見ると、デュラントは+/-が圧倒的ですね。カリーを10点近く上回るのでれば妥当な選出でしょう。
 カリーは3Pが1/10だった第3戦を経てもトータル成功率が41.5%。しかし、シーズンやキャリアを下回ってしまったので、MVPと言うにはやはりちょっと足りなかったでしょうか。この辺は、まだ来シーズンに向けてのモチベーションが残ったと考えておきましょう。



 ところで、第4戦後の会見でこのような事実が発覚しました。
 まあ自業自得ですし、第2戦以降のFTが22/27の81.5%決まっていますので、あまり影響はなかったようにも見えます。(「俺は怪我をしていたんだよ」と敗戦後に示すのはちょっと格好悪い。)



 さて、今シーズンのファイナルは、「消去法」的に、無難な方が勝ち上がったような印象があります。各カンファレンスを経験のあるチームが勝ち上がり、それらの直接対決では地力の上回るウォリアーズが勝った、と。変わり映えがしなかったことは事実です。

 昨今のNBAは戦術に占める3Pのウエイトが上がりました。しかし、繊細な指先の感覚が求められるアウトサイドシュートは、緊張や疲労がある中では必ずしもシーズン中通りには放てないものだと思います。レギュラーシーズンの通常の試合の中では使えても、本当の勝負所では必ずしも機能しない、ということが改めて見えたシーズンでした。
 ロケッツが勝てなかったこともそうですし、ステフィン・カリーであってもファイナルMVPを取れないのですから。
 
 だからと言って、このまま「経験のある」チームが勝ち上がるのでは面白くありません。ウォリアーズはもう1年このラインナップが続きますが、他のチームは何としてもスリーピート阻止のための対策を考えなくてはなりませんし、レブロンにだって(どのチームでプレイしているかはわかりませんが)立ち向かわなくてはなりません。
 私はウォリアーズが好きですが、単純に彼らが勝てばいいというものでもありません。まあ、ステフィン・カリーにファイナルMVPという最後の悲願が残ったので、他のチームが立ち塞がる中でそれをいかに目指すか、でしょうか。


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